コラム・イベント情報と活動報告
コラム「体重減少と認知症リスクの関係にオーラルフレイルの観点から新たな知見? 」
アメリカで「ARIC研究」という大規模な追跡調査に参加したおよそ1万3千人の男女に対してある研究が行われました。それは、参加者のBMI(体格指数)を中年期(54歳ごろ)に測定し、その後15年にわたり体重の変化を追跡、さらに75歳前後の後期高齢期でもう一度BMIを記録、その後6年くらい観察後に認知症を発症したかどうかを調べるというものでした。 つまり、中年期のBMI、15年間の体重変化、後期高齢期のBMIの3つの要素から、体重と認知症との関係を明らかにしようというものでした。
結果、中年期から後期高齢期にかけて体重が減った人において認知症リスクが高かったのです。15年間でBMIが2以上減少した人では、もともとの体重に関わらず認知症リスクが高く、正常体型(体格)で体重が減った人で認知症リスクが2倍、太り気味で体重が減った人で約1.6倍、肥満から痩せた人で約1.3倍でした。よって、中年からの体重の変化が脳の健康に強く影響している可能性が示されたのです。
ところで今般、東京科学大学大学院医歯学総合研究科歯科公衆衛生学分野の相田潤教授らの研究チームが日本全国の65歳以上の高齢者(平均72歳)およそ3千3百人を対象に日本老年学的評価研究のデータを用いて6年間の追跡調査を行ったところ、追跡期間中に8.9%の参加者において加齢だけが原因とは考えられない体重減少がみられました。そして、オーラルフレイルを有する高齢者は、そうでない高齢者と比べて体重減少を起こすリスクが高いこともわかりました。さらに、オーラルフレイルを構成する5つの要素「歯数20本未満」「咀嚼困難」「嚥下困難」「口腔乾燥」「発音困難」のうち、「咀嚼困難」が最も強く影響していることが確認されました。また、この5つの構成要素が互いに関連していることも明らかになりました。これらのことから、口腔の不健康が単に歯や口の問題にとどまらず、会話や食事などを含んだ社会的交流、栄養状態や脳機能など多面的な健康に影響することが考えられました。
イベント情報
香川県歯科医療専門学校一般入試のお知らせ
香川県歯科医師会立香川県歯科医療専門学校では1月25日(日)に一般入試を行います。
詳しくは、香川県歯科医療専門学校ホームページをご覧ください。
歯科衛生士応援研修会 開催のお知らせ
歯科衛生士の方を対象に皆さんの再就職および再度の学びを応援します。
今回はビデオ視聴+実習・演習による研修を行います。
- DH-KENビデオ「シャープニング」視聴ならびにシャープニング実習
- 保険指導(症例検討)
| 日時 | 12月21日(日)9時〜15時30分 |
|---|---|
| 定員 | 30名(まだ空きがあります) |
| 申込締め切り | 12月18日(木) |
| 会場 | 香川県歯科医療専門学校6回実験室 |
| 申し込み方法 |
https://www.kashi.or.jp/business/fukushoku/form.html 登録フォームからお申し込みください FAX:087-822-4948 TEL:087-851-4965 |
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