コラム・イベント情報と活動報告
コラム「小児脳性麻痺に対して乳歯の歯髄幹細胞投与が治療に有効?」
慢性期脳性麻痺の治療に乳歯の歯髄幹細胞の投与が有効である可能性があると、名古屋大学大学院医学系研究科小児科学教室ならびに同大学附属病院総合周産期母子医療センターのグループがラット(ネズミ)を用いた実験の研究成果を発表しました。脳性麻痺のこどもに対する新しい治療法につながることが期待されています。
一般的に歯の神経として知られる歯髄には、歯の神経の他に、血管、リンパ管などが含まれていて、歯髄には知覚を伝える働きや歯の成長を促進する働きがあります。特に乳歯の歯髄に存在する歯髄幹細胞には極めて高い増殖能力や様々な細胞に分化できる多分化能力、また、血管や神経を誘導する能力(血管新生・神経誘導因子)が備わっていることが知られています。
脳性麻痺は、出生前後の原因により生じる中枢神経障害であり、生後数日の急性期治療としては低体温療法が標準治療として確立されていますが、神経症状が完成した慢性期からの有効性を示す治療法については、これまでほとんど検証されていませんでした。この研究では、脳性麻痺モデルラットの慢性期に乳歯の歯髄幹細胞を静脈内投与した結果、運動機能および学習行動の有意な(偶然とは言えない程の確率で)改善が認められたということです。さらに、乳歯の歯髄幹細胞は脳内へ一過性に移行し、内因性神経幹細胞の増殖と神経新生を促進することが明らかとなりました。また、乳歯の歯髄幹細胞が分泌する肝細胞増殖因子が神経幹細胞の増殖を促進し、治療効果の中心的役割を担うことが分子レベルで示されました。
今回の成果は、脳性麻痺の慢性期においても、幹細胞治療が有効となり得ることを初めて示したものであり、新規治療法開発に貢献することが期待されます。この研究成果は、2026年1月23日に英国誌「Stem Cell Research & Therapy」の電子版に掲載されています。
乳歯は誰でも自然に抜けるものであり、倫理的な問題が少なく体への負担も小さいことから、将来、脳性麻痺のある子どもたちに安全に使える新しい治療法につながることが期待されます。抜歯した乳歯から歯髄幹細胞を採取、培養、バンク保管しておくと、将来の再生治療に備えることもできます。実用にはまだまだ時間がかかるかもしれませんが、抜歯した乳歯をクリーンルームで培養・保管しておくサービス「アエラスバイオ歯髄幹細胞バンク」もすでに稼働しています。
イベント情報
香川県歯科医療専門学校一般入試のお知らせ
香川県歯科医師会立香川県歯科医療専門学校では推薦入試Ⅱ期募集の試験が11月1日(日)に行われ、その後、1月24日(日)に一般入試(併願可)および総合型選抜入試Ⅱ期募集(併願不可)、3月14日(日)に総合型選抜入試Ⅲ期募集(併願不可)が行われます。
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詳しくは、香川県歯科医療専門学校ホームページ https://www.shikasen.ac.jp/ をご覧ください。
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