コラム・イベント情報と活動報告
コラム「緑茶のむし歯抑制効果はフッ素だけではなかった。緑茶のむし歯や歯周病に対する効能とは? 」
2021年6月に東北大学大学院歯学研究科口腔生化学分野の橋信博教授らは、緑茶カテキンが口腔レンサ球菌(むし歯菌の代表的な種類)の酸産生(歯を溶かす作用)を抑制することを確認しました。
これによると、緑茶と同等の濃度の緑茶のカテキン成分の一種であるエピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)はこれら細菌を死滅させないものの、重要なう蝕原性である糖からの酸産生(歯を溶かす作用)を抑制する作用があったそうです。また、EGCGは細菌の糖取り込み酵素を抑制すること、さらに、細菌を凝集させ、歯面への付着を阻止する可能性が示されました。そして、これらの抗菌作用は唾液が存在しても維持されたため、実際の口腔内においてもその効果が期待されることから、近い将来、う蝕予防の効果的ツールの開発につながるかもしれないとしました。つまり、緑茶のう蝕(むし歯)抑制効果は、その成分中のフッ素によるものだけではなかったわけです。
そして2024年7月、同研究グループは緑茶のEGCGが、主要な歯周病関連細菌であるPorphyromonas gingivalisなどの代謝を抑制することで、増殖抑制と死滅を誘導することを明らかにしました。さらに、これらの歯周病関連細菌はう蝕関連細菌であるStreptococcus mutansよりもEGCGに対する感受性が高く、低濃度のEGCGでも効果があることが分かりました。この結果は歯周病予防および良好な口腔環境維持のための新規開発に貢献できる可能性があり、さらに詳細な研究や臨床研究を通じてその実現が期待されます。
古来から飲まれてきた緑茶にこのような効果があることを当時の人が理解していたとは考えられませんが、ずっと残ったお茶の習慣に虫歯と歯周病予防の意味があったとは驚きですね。
イベント情報
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