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自然さを求める歯科医療
審美歯科のはなし
最近、無農薬野菜や無添加食品などへの関心が高まって、ナチュラル志向の人が増えてきたように思います。私たち歯科医療の現場でも、とくに前歯の修復については「自然にみえるように」と希望される患者さんが増えてきました。以前は、ちょっと指輪やブレスレットをするような感覚で、前歯に少し金の詰め物をしたり、金歯を好んで前歯に入れたりする方もおられたものです。
ところが最近では、たとえ奥歯しあっても、にっこり笑ったときに少しでも金属がみえようものなら、大変気にされる患者さんが多くなりました。
今日の歯科医療でh、天然の歯と同じ色調の材料として、おもにセラミック(陶器材料)と特殊なプラスチックが用いられています。プラスチックもどんどん進歩していますが、現在のところセラミックのほうが耐久性や色調で優れているようです。
広く使われているメタルボンド冠は、金属で精密に作られた「かぶせ」の上にセラミックを焼き付けたもので、いわゆる七宝焼と同じようにして作ります。金属の上に金属の色を隠すセラミック、その上に象牙質の色をしたセラミック、さらにその上にエナメル質の色をしたセラミックを重ねるなど、いくつもの工程を経て作られるのです。
このような複雑な工程も、最近では科学的にかなり規格化されてきました。しかし微妙な色合わせは歯科技工士さんのテクニックにかかっています。隣の自然の歯と比べても見分けがつかないように、茶色や白で着色したり透明感を強くしたり、腕の見せどころです。しかし、このような自然さを追求する治療は、やはり時間とコストがかかりことはいたしかたありません。
これまでは、金属のほうが加工がしやすく、また精度もよいという技術的な問題から、奥歯は金属で修復することが一般的でした。しかし今後はますます、奥歯でも自然にみえるような治療に変わっていくことでしょう。

  

医歯薬出版株式会社出版「歯にいいはなし」より