令和７年度
訪問口腔健康管理研修会

口腔健康管理は高齢者を対象とした口腔管理の概念です。口腔健康管理は「口腔機能管理」口腔衛生管理」「口腔ケア」の3分野に分類されます。

「口腔機能管理」は口腔が担う機能である、咀嚼機能や発声機能、嚥下機能などの改善・向上・維持を目的とします。「口腔衛生管理」は、歯科衛生士が主体となって、口腔の衛生状態を改善・維持する目的でプロフェッショナルケアなどを提供することが主体となります。「口腔ケア」は対象者の食事摂取を取り巻く環境下で行われる、多職種による口腔へのアプローチであるとされています。

訪問診療先で歯科医療従事者に求められる、歯科治療による咀嚼機能回復を中心とする摂食機能への対応を提供すること、全ての口腔へのアプローチの基礎となる口腔衛生の改善、また多職種と協働しながら歯科医療を提供することで、器官としての口腔の重要性を多職種と共有することに大きな意義があるといえます。今回、訪問診療で必要な歯科治療と口腔機能管理、口腔衛生管理、口腔ケアについて最新の知見と、臨床的考察をお話しいたします。

口腔衛生管理、特に訪問診療時の口腔ケアについて、ＡＤＬ（Activity of daily living .）レベル別の対応法と、嚥下機能改善にむけた最低限必要な機能訓練について演習を行います。