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オーラルフレイル対策事業・県民公開講座

演題①

「オーラルフレイルを防ぐためにはどうすればいいの?」

オーラルフレイルという言葉を最近お聞きになったことがあると思います。年を取ってくると、人とのつながりが少なくなり、とじこもりがちになります。すると「もう誰とも話したりキスしたりせえへんから歯(はー)も磨かんでええわ。」と口のケアに注意を払わなくなります。そうなりますと、むし歯や歯周病がひどくなり、歯を失ってしまいます。硬いものが食べられなくなり、食べこぼしが増え、飲み込みもうまくいかなくなります。

このような状態をオーラルフレイルといいますが、放置しておくと、さらに口の機能の低下を引き起し、食品の片寄りや栄養状態の低下を経てフレイルや要介護に至るというものです。東京大学の研究グループの報告ではフレイル発症が1.69倍、要介護新規認定が1.4倍、死亡が1.44倍になるという報告が出ています。

口の機能低下を感じた時には歯科医院で検査を受け、ひどくならないように適切に指導を受けてください。

講師

東京科学大学 名誉教授

水口 俊介 先生

【ご略歴】
  • 1983年 東京医科歯科大学歯学部歯学科 卒業
  • 1987年 同大学大学院歯学研究科 修了
  • 1989年 同大学歯学部高齢者歯科学講座助手
  • 2001年 同大学大学院医歯学総合研究科口腔老化制御学分野講師
         ロマリンダ大学歯学部Visiting Research Professor
  • 2005年 同大学大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野助教授
  • 2008年 同大学大学院医歯学総合研究科全部床義歯補綴学分野教授
  • 2013年 同大学大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野教授
  • 2024年 同大学名誉教授
  • 2020年 4月~2022年3月 同大学歯学部附属病院長
  • 2020年 6月~2024年6月 日本老年歯科医学会理事長

演題②

「口腔乾燥症とオーラルフレイル」

高齢社会の到来で、要介護高齢者に対する口腔ケアが誤嚥性肺炎のリスク減少に有用であることが報告され、多くの施設や病院で、口腔ケアが取り入れられるようになりました。

一方、自立高齢者の約8割、要介護高齢者では9割以上が日常的に多くの薬剤を常用しており、口腔乾燥や嚥下障害の原因となっています。口腔乾燥や嚥下障害が生じると、口腔内が汚れやすくなり、唾液の粘性も高くなり粘膜の感覚も低下させ、口腔機能の衰え(フレイル)につながります。

口腔乾燥は、唾液嚥下の回数が減少することで、嚥下機能も低下しますので、口が乾きやすい高齢者の口腔ケアや積極的な対応が重要です。

口腔が乾燥した患者に対しては、保湿が必要ですが、水分では口腔粘膜は潤わないので、原因への対応が極めて重要です。すなわち、水を飲んでも粘膜が潤わないことから、水分の取りすぎは逆に夜間頻尿になりやすく、注意が必要です。唾液に含まれる保湿成分が口腔粘膜を潤すので、唾液分泌が大切です。

近年は、胃酸逆流の防止の目的で、胃液分泌低下薬を服用している患者が増えています。この薬剤は、唾液分泌も低下させるので、重度の口腔乾燥症になり、さらに、ビタミンB12と胃で分泌される内因子との結合を妨げるので、貧血や手足や身体のしびれも生じやすくなります。

口腔機能は、口腔内の感覚や麻痺、口腔粘膜の状態、唾液の量や口腔内での分布、唾液の物理的性状、歯の状態や咬合状態、義歯や咬合状態など、多くの口腔環境や機能と関連しています。そのため、食事をしない患者であっても、最低限のコミュニケーション機能を確保するために、口腔環境と機能をより正常に近づける必要があります。口腔ケアは、食事と関係なく、話す機能を維持・改善するためにも適切に行うことが重要です。

近年、「摂食・嚥下リハビリテーション」という語句が良く使われていますが、摂食を捕食と誤解して、咀嚼せずに口に入れたらすぐに飲み込むのが良いリハビリと思い込んでいる医療スタッフに遭遇することがあります。唾液分泌を正常にして、正しい口腔機能を維持するためにも正常な嚥下機能の発揮には咀嚼機能や顎の位置の安定も重要で、とくに寝たきり高齢者等の義歯調整は口腔機能を維持するためにも大切です。高齢者における適切な義歯使用と対応は、口腔機能の改善と摂食・嚥下リハビリテーションを進める上でも重要な因子となります。

私たちが行った、胃瘻患者に対する機能的口腔ケアの研究では、歯科衛生士が週2回、4週間の口腔ケアで、胃粘膜から分泌される食欲ホルモンであるグレリンの分泌リズムが正常になることが明らかになり、適切な口腔ケアは消化機能を改善することが明らかになりました。

また、唾液分泌や味覚障害、口腔機能の改善に、漢方薬が有効であることが知られるようになり、日本歯科医師会でも、漢方薬の正しい使用について情報提供をするようになりました。

今回は、口腔乾燥の原因と対応について、オーラルフレイルの予防の観点から、お話ししたいと思います。

講師

九州歯科大学 名誉教授

柿木 保明 先生

【ご略歴】
  • 1980年 九州歯科大学卒業
  • 1980年 産業医科大学附属病院歯科口腔外科・専修医
  • 1981年 国立療養所南福岡病院・歯科医師(1988年~歯科医長)
  • 2005年 九州歯科大学 教授 摂食機能リハビリテーション学分野
  • 2010年 同大学 口腔保健学科長
  • 2013年 同大学 副学長・附属病院長
  • 2016年 同大学 老年障害者歯科学分野教授(分野名の名称変更)
  • 2021年 同大学 定年退官 名誉教授
主な役職・資格等
  • 日本口腔リハビリテーション学会 理事
  • 日本歯科東洋医学会 指導医、元会長
  • 日本老年歯科医学会 名誉会員
  • 日本口腔ケア学会 名誉会員
  • 介護支援専門員、労働衛生コンサルタント、整体セラピスト
主な著書
  • 歯科医師・歯科衛生士ができる舌診のすすめ!(編著).ヒョーロン、2010年
  • 口腔乾燥症の臨床(編著)、医歯薬、2008年
  • 看護で役立つ口腔乾燥と口腔ケア(編著)、医歯薬,2005年
  • 歯科漢方ハンドブック(単著)、KISOサイエンス社、2005年
  • 唾液と口腔乾燥症(編著)、デンタルハイジーン別冊2003、医歯薬、2003年
  • 臨床オーラルケア(編著)、日総研 2000年8月31日刊行
  • 障害者歯科ガイドブック(分担執筆)、医歯薬

開催日時

令和8年9月27日(日)
9:30~12:30

会場

香川県歯科医療専門学校
7階 8020ホール

駐車台数に限りがありますので、できる限り公共交通機関をご利用ください。

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お申し込み方法

申し込み期日までに申込フォーム・メール・FAX・お電話にてお申込みください。

締め切り:令和8年9月16日(日)必着

公益社団法人香川県歯科医師会
メール:sysope@kashi.or.jp
TEL:087-851-4965
FAX:087-822-4948

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