あなたの毎日の歯磨きが、全身の健康と医療費の節約に大きく影響することをご存知ですか? 香川県歯科医師会が行った調査によれば、お口の健康が悪化すると身体の健康リスクが高まり、結果として医療費が増加する傾向が明らかになりました。
例えば、歯周病を放置すると糖尿病や心疾患のリスクが増し、それに伴う医療費も増加します。一方で、定期的な歯科健診を受けることで、生活習慣病の発症リスクを低減し、医療費を抑えることができるのです。
目次
お口の健康と全身の健康の関係
~お口の健康づくりで健康寿命を延伸~
歯科健診と医療費、介護認定状況の関係
- 歯科健診を受診している人は、20歯以上の割合が多く、歯周病が軽度の人の割合も多いという結果が出ています。
- また、歯科健診有、20歯以上、歯周病軽度の人は診療費、調剤費、介護認定者割合が低いという結果も出ています。

歯科健診を受けることが歯の数を保つことや歯周病の重症化防止につながり、その結果として歯の数や歯周病の程度が診療費や要介護認定に影響を与えていると思われます。

歯科健診を受けましょう
- 健診有が20歯以上の割合が10.5ポイント多い
- 健診有が歯周病軽度以下の割合が6.4ポイント多い
- p値が0.05未満だと、統計的に有意に差がある
詳しくは「R5年11月実施報告書(PDF)」と「R5年11月実施報告書(要約)」をご覧ください
お口の健康と医療費の関係
香川県歯科医師会が令和5年11月に行った調査の結果、次のことがわかりました。
- 歯の本数が20歯以上の人は、そうでない人に比べて中央値で年間約10万円(平均値で年間約17万円)も医療費(医科診療費+歯科診療費+調剤費)が少ないという結果がでています。
- 歯周病が軽度な人や、定期的に歯科健診を受診している人も、医療費が抑えられている傾向にあります。
医科診療費+歯科診療費+調剤費との関係
(一人あたり万円/年)
- 20歯以上ある人の医療費は、中央値で年間約10万円(平均値で年間約17万円)低い
- 歯周病軽度以下の人の医療費は、中央値で年間約5万円(平均値で年間約9万円)低い
- 歯科健診を受けている人の医療費は、中央値で年間約4万円(平均値で年間約5万円)低い
-
p値が0.05未満だと、統計的に有意に差がある
中央値…データを大きさの順に並べたときに、真ん中に位置する値
ロバスト平均値…一部の極端なデータ(外れ値)の影響を考慮して計算した平均値
詳しくは「R5年11月実施報告書(PDF)」と「R5年11月実施報告書(要約)」をご覧ください
口腔機能の重要性
~よく噛んて食べることの効果~
香川県歯科医師会が令和2年度に行った調査の結果、次のことがわかりました。
- 噛む力が低下すると、医療費や診療日数が増える傾向にあります。
- 噛む力が維持できている人ほど、健康でいられる可能性が高くなります。
医科診療日数
- 何でもかんで食べることができる
- 歯や歯ぐき、かみあわせなど気になる部分があり、噛みにくいことがある
- ほどんどかめない
- かめない程度が悪化する程、診療日数が多い
医科診療費
- 何でもかんで食べることができる
- 歯や歯ぐき、かみあわせなど気になる部分があり、噛みにくいことがある
- ほどんどかめない
- かめない程度が悪化する程、医科診療費が多い
詳しくは「令和2年度 報告書(PDF)」をご覧ください
口腔健康管理の重要性
~歯磨き習慣 歯間清掃の重要性~
香川県歯科医師会が令和3年度に行った調査の結果、次のことがわかりました。
- デンタルフロスや歯間ブラシを使ってケアしている人は、医療費が低いという結果があります。
- 毎日の歯磨きだけでなく、すき間ケアの習慣もとても大切です。
平成31・令和元年度 香川県独自の歯科質問項目
「デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯と歯のすき間もきれいにしている」
回答状況別医科診療費について
- セルフケアをしっかり行っている人の方が、医科診療費が低い
詳しくは「令和3年度 報告書(PDF)」をご覧ください
お口の健康と全身疾患との関係
香川県歯科医師会が令和4年度に行った調査の結果、次のことがわかりました。
- 歯が多く、歯周病が軽い人ほど、アルツハイマー病・誤嚥性肺炎・慢性腎臓病の発症率が低いという調査結果があります。
- 定期的に歯科健診を受けている人も、病気の発症率が低い傾向です。
実施調査後6年間のアルツハイマー病発症率
- 歯の本数が多い方が、アルツハイマー病発症率が低い
- 歯周病が軽度な方が、アルツハイマー病発症率が低い
- 歯科健診を受けている人の方が、アルツハイマー病発症率が低い
- p値が0.05未満だと、統計的に有意に差がある
実施調査後6年間の誤嚥性肺炎発症率
- 歯の本数が多い方が、誤嚥性肺炎発症率が低い
- 歯周病が軽度な方が、誤嚥性肺炎発症率が低い
- 歯科健診を受けている人の方が、誤嚥性肺炎発症率が低い
- p値が0.05未満だと、統計的に有意に差がある
実施調査後6年間の慢性腎臓病発症率
- 歯の本数が多い方が、慢性腎臓病発症率が低い
- 歯周病が軽度な方が、慢性腎臓病発症率が低い
- p値が0.05未満だと、統計的に有意に差がある
詳しくは「令和4年度 報告書(PDF)」をご覧ください
お口の健康と健康寿命との関係
香川県歯科医師会が行った調査の結果、次のことがわかりました。
- 歯が20本以上ある人は、介護サービスの利用率が少なく、死亡率も低い傾向があります。
- 8020(80歳で20本以上の歯)を達成した人は、健康寿命が長くなる傾向が見られました。
歯の健康と介護状況との関係
- 20歯以上ある人は、介護認定者の割合が約12ポイント低い
- 歯周病軽度以下の人は、介護認定者の割合が約5ポイント低い
- 歯科健診を受けている人は、介護認定者の割合が約4ポイント低い
- p値が0.05未満だと、統計的に有意に差がある
詳しくは「R5年11月実施報告書(PDF)」と「R5年11月実施報告書(要約)」をご覧ください
歯の健康と生命予後(死亡率)の関係
- 歯の本数が多いほど、死亡率が低い(20歯以上は0~4歯の1/2)
- 歯周病が軽度なほど死亡率が低い(軽度は重度の4/5)
- 75歳以上の年齢層では、健診を受けている人の方が、死亡率が低い
- p値が0.05未満だと、統計的に有意に差がある
詳しくは「平成27年度 報告書」をご覧ください
8020達成状況別
3年後の介護サービス受給割合
- 8020達成者は、3年後の介護サービス受給割合が低い
詳しくは「令和2年度 報告書」をご覧ください
8020達成状況別
3年間の死亡割合
- 8020達成者は、3年後の死亡率が低い
詳しくは「令和2年度 報告書」をご覧ください
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お口の健康と全身の関係
日々の暮らしと関係が深い病気や健康寿命に関する情報を、調査データに基づいてわかりやすくまとめた資料をご用意しました。「自分の歯が将来の健康に関係あるかも?」と思ったら、ぜひご覧ください。
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